日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
Wound retractorの二重装着が有用であった毛髪胃石の1例
鈴木 博也絹田 俊爾産本 陽平林 孝朗白根 和樹萩尾 浩太郎
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 83 巻 6 号 p. 1036-1040

詳細
抄録

症例は18歳,女性.腹痛,嘔吐,腹部腫瘤を主訴に受診した.採血でHb 7.7g/dLと貧血を認めた.腹部CTで胃内に不均一な含気を伴う巨大な腫瘤と胃角部小彎側に潰瘍性病変を認めた.上部消化管内視鏡検査で胃内に巨大な毛髪塊を認めた.内視鏡的摘出は困難であり,毛髪胃石,胃潰瘍の術前診断で外科的摘出の方針とした.Wound retractor Sサイズを臍に装着し,Sサイズの中を通してXSサイズを胃内に挿入し二重装着し,胃内手術と鏡視下手術を併用し毛髪胃石を摘出した.従来は大きな皮膚,胃切開による開腹手術が主流であったが,近年では創縁保護具を用いた最小限の手術創で胃内手術を行った報告が散見されるが,創感染をきたしたとの報告もある.毛髪胃石に対して創縁保護具を二重装着した報告は本邦初であり,創感染や腹腔内膿瘍の予防に有用であると考えられたため,症例提示とともに文献的考察を加えて報告する.

著者関連情報
© 2022 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top