日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を行った出血を伴う胃脂肪腫の1例
丸中 雄太小菅 敏幸荻野 真平松井 智啓藤山 准真馬場 正道増山 守
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2022 年 83 巻 6 号 p. 1041-1046

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抄録

症例は63歳,男性.2020年11月に貧血精査の上部消化管内視鏡検査にて胃前庭部後壁に胃粘膜下腫瘤を指摘されたが,胃脂肪腫の疑いで経過観察となっていた.ところが,2021年6月に黒色便が出現し,Hb:5.5g/dlと高度貧血を伴っていたため緊急上部消化管内視鏡検査を施行された.既知の胃粘膜下腫瘤に潰瘍性出血を認め,内視鏡的に止血処置が施された.再出血のリスクが高く,手術以外の方法では確実な出血コントロールは難しいと考えたため,腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を施行した.術後経過は良好で第12病日に退院した.病理組織学的診断は66×45mmの胃脂肪腫であった.胃脂肪腫は基本的に経過観察されるが,胃脂肪肉腫が疑われる場合や出血や通過障害を伴う場合には切除を要する.治療のアプローチ・術式は多岐にわたり,占拠部位や腫瘍径に応じて選択する必要がある.今回,出血を伴う胃脂肪腫を切除し良好な経過を得た1例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.

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