日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
ステロイド全身投与が奏効した胃切除後吻合部浮腫性狭窄の1例
高原 善博宇野 秀彦西田 孝宏郷地 英二
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 83 巻 6 号 p. 1031-1035

詳細
抄録

症例は76歳の男性で,検診にて見つかった胃癌に対して,腹腔鏡下幽門側胃切除を施行した.再建はデルタ吻合によるBillroth I法で行い,術後食事摂取良好にて術後8日目に退院となった.術後22日目に上腹部膨満の訴えにてCTを施行したところ残胃の著明な拡張を認め,減圧後に施行した上部内視鏡検査にて,吻合部浮腫性狭窄の診断となった.ステロイドの全身投与を開始したところ速やかに症状改善を認め,ステロイド投与開始5日目で経口摂取可能となった.その後はステロイド投与を漸減し合計38日間の投与で終了としたが,術後9カ月の現在,狭窄症状の再燃は認めていない.デルタ吻合後の浮腫性狭窄に対するステロイドの全身投与は,低侵襲でかつ有効であると考えられた.

著者関連情報
© 2022 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top