日本臨床外科学会雑誌
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症例
経仙骨アプローチ併用腹腔鏡下腫瘍摘出術を行った仙尾部奇形腫の1例
竹中 俊介倉田 徹廣瀬 淳史森 康介加治 正英前田 基一
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2022 年 83 巻 6 号 p. 1171-1176

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抄録

仙尾部成熟奇形腫は小児期発症が多く,成人発症例は非常に稀であるが,悪性転化の可能性も指摘されているため発見後は早期切除が望ましい.今回,成人女性の仙尾部奇形腫に対して経仙骨アプローチを併用した腹腔鏡下腫瘍摘出術が有用であった1例を経験したので報告する.

症例は52歳,女性.検診で骨盤底に7cmの多房性嚢胞性腫瘍を指摘され,診断的治療目的に外科的切除の方針となった.手術は経仙骨アプローチから尾骨を合併切除して深部から背側の剥離を行った後に,腹腔鏡下でのアプローチに移り,直腸授動と腫瘍周囲の剥離を行うことで良好な視野のもと腫瘍切除が可能であった.病理組織学的に成熟嚢胞性奇形腫と診断された.術後経過は良好で,術後1年5カ月時点で再発は認めていない.

仙骨前面の後腹膜腫瘍では,腹腔内アプローチのみでは腫瘍深部から背側の剥離にしばしば難渋するが,経仙骨アプローチを併用することで安全な腫瘍摘出が可能であった.

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