2022 年 83 巻 7 号 p. 1211-1215
緒言:乳輪下膿瘍の多くは女性に発症し,男性は稀である.今回,当院で経験した6例の男性乳輪下膿瘍を報告する.
対象および方法:2012年1月から2020年12月に,当院で乳輪下膿瘍または乳腺膿瘍の診断となった138例のうち,男性6例を対象とし,年齢,左右,腫瘤径,喫煙歴,培養結果,治療法,予後について検討した.
結果:年齢は30から49歳,右4例/左2例,腫瘤径は11mmから28mm.診断時に切開排膿を施行したのは3例,aspirationを行ったのが2例,ドレンを留置したのが1例.4例にcefcapene pivoxilを使用した.初回治療がaspirationのみだった2例は再発し,再発時に切開排膿をし,軽快している.再発せず経過した4例の治療後観察期間は1カ月から73カ月だった.
考察:男性に発症した乳輪下膿瘍は,適切な抗菌薬の選択と十分なドレナージにより,切開排膿でも有効である可能性がある.