2022 年 83 巻 7 号 p. 1221-1228
症例は76歳,女性.左乳癌に対して乳房温存術と残存乳房照射(50Gy/25fr)後7年2カ月目に,乳房皮膚に色素沈着を伴う慢性皮膚炎様の皮下硬結を触れた.外用ステロイドで2カ月間経過観察したが変化を認めず,皮膚生検で血管肉腫の診断を得た.造影CTでは腫瘍部は比較的限局して濃染され,造影MRIではrapid-washout patternを呈し,PET-CTでは局所のみに高度集積(SUV-max 39.1)を認めた.以上の経過から放射線関連乳房血管肉腫と診断し,乳房部分切除を施行しR0切除を得た.現在,術後10カ月経過し無再発生存中である.乳房温存術後の放射線関連血管肉腫は発生頻度が約0.1%程度と稀であり,診断に難渋することがある.本邦37例の報告例を検討すると局所・遠隔再発率ともに高く,5年生存率は46%と臨床上重要な放射線関連有害事象である.乳房温存術後の放射線治療を施行する際には留意が必要である.