2022 年 83 巻 7 号 p. 1290-1295
症例は51歳,女性.以前から時折腹痛があり,上下部内視鏡やCTを含めた精査を行ってきたが確定診断には至らなかった.1カ月前に腹部不快感と膨満感を主訴に近医を受診し,感染性腸炎の診断で加療したが軽快せず,MDCTにてMeckel憩室を指摘された.MDCTで右下腹部に存在する小腸壁に11×7cm大の嚢状腫瘤を認め,症状を伴うMeckel憩室の診断で単孔式腹腔鏡下手術を施行した.術中,左上腹部に巨大な嚢状の小腸憩室を認めた.嚢状の憩室が腸間膜対側に拡大し,他に病変を疑う部分を認めず同部を把持し体外で切除・縫合した.病理所見は腸間膜対側に憩室を認め,同基部で固有筋層が断裂し粘膜下層の脂肪織が漿膜下層へ増生していた.同部から憩室の大部分を占める固有筋層を欠いた仮性憩室領域に連続していたため,二次性に巨大化したMeckel憩室と診断した.二次性に仮性憩室が生じたMeckel憩室の報告は稀である.今回,二次性に仮性憩室が生じたMeckel憩室という稀な症例を経験したので報告する.