2022 年 83 巻 8 号 p. 1434-1438
症例は65歳,男性.来院前日からの腹部膨満と嘔気を主訴に当院救急外来を受診した.腹部単純CTで胃軸捻と診断し,胃管挿入で捻転が解除された.入院翌日に上部消化管内視鏡検査(以下:EGD)を施行し,瀑状胃と胃体部を中心とした多発胃潰瘍を認めたが,胃軸性変化は認めなかった.入院7日目に,筋性防御を伴った急激な腹痛と嘔気反射が出現した.腹部造影CTで著明な胃拡張と胃周囲血管の渦巻き状変化を認めた.また,上部消化管内視鏡検査で胃潰瘍の増悪と胃軸性変化を認め,急性型の胃軸捻と診断し緊急手術を施行した.術中所見で,胃軸捻に加えS状結腸軸捻も認め,胃軸捻解除術とS状結腸固定術を施行した.胃軸捻発症時,特に保存的治療が奏効しない時は,S状結腸軸捻の併存も念頭に置いて低侵襲の緊急手術を検討する必要がある.