2022 年 83 巻 9 号 p. 1609-1614
患者は76歳,男性.血便を主訴に受診し,腹部造影CTで虫垂内部にextravasationを認めた.下部消化管内視鏡検査を施行したところ,虫垂開口部より湧出性の持続出血を認め,虫垂出血と診断した.内視鏡的止血は困難と判断し,同日腹腔鏡下虫垂切除術を行った.病理組織学的検査において虫垂潰瘍を認め,出血源と考えられた.術後経過は良好で,術後6日目に軽快退院となった.下部消化管出血において,虫垂が出血源となることは極めて稀である.今回われわれは,虫垂出血に対し腹腔鏡下虫垂切除術を施行した1例を経験したため,本邦での報告例を集計し報告する.