日本臨床外科学会雑誌
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症例
胸部皮下気腫を契機に発見されたS状結腸憩室穿通の1例
藤永 和寿中橋 央棋春木 祐司加藤 憲治
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2022 年 83 巻 9 号 p. 1620-1625

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抄録

症例は78歳,女性.意識障害を主訴に救急搬送された.脱水,認知機能の低下を認め入院加療となり,認知機能低下の原因は顕微鏡的多発血管炎の神経症状と診断され,ステロイドパルス療法が行われた.ステロイド減量の過程で,左側胸部を中心とし左頸部から左下腹部にわたる広範な皮下気腫を認めた.理学所見は広範な皮下気腫のみで,腹部症状は認めなかった.CTでは,左側胸部を中心に大量の気腫像を認め,左頸部や左骨盤内後腹膜につながっていた.腹腔内遊離ガスは認めなかったが,S状結腸間膜に小さな気泡が疑われた.以上から,S状結腸間膜穿通を疑い,緊急試験開腹術を施行した.術中所見でS状結腸間膜穿通と診断し,Hartmann手術を行った.病理組織所見は憩室穿孔であった.発見の契機が広範な皮下気腫で,腹膜炎所見を認めないS状結腸間膜穿通の1例を経験したので報告する.

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