日本臨床外科学会雑誌
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症例
一期的切除で5年生存した膵・脾転移を伴うStage IV胃癌の1例
烏山 拓馬浅生 義人姚 思遠小嶋 大也竹山 治田中 満
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キーワード: 胃癌, 遠隔転移, 一期的切除
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2023 年 84 巻 2 号 p. 288-293

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抄録

症例は64歳の男性で,健康診断で受けた上部内視鏡検査で胃底部後壁にType2胃癌(生検でtub1)を認めた.造影CTでは胃底部に既知の腫瘤(cT3)と膵尾部に径20mmの腫瘤を認め,その他臓器転移は同定できなかった.造影MRIで膵尾部腫瘤は膵癌,内分泌腫瘍,充実性偽乳頭状腫瘍が疑われた.胃上部癌cT3N0M0と膵尾部腫瘤に対して開腹胃全摘(D2郭清,Roux-en-Y再建),膵体尾部切除,脾摘,胆摘術を施行した.病理組織学検査では,膵病変のみでなく脾内にも胃病変と類似した組織像,免疫染色像(CK20,CK7陽性,CA19-9陰性)を認め,胃癌の膵転移・脾転移と診断した.現在,術後補助化学療法を経て5年間無再発で経過中である.胃癌の直接腫瘍浸潤を除く同時性2臓器転移の切除報告は極めて稀で,今回術後補助化学療法併用により長期間無再発で経過している症例を経験したため,文献的考察を加え報告する.

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