日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡手術で治療した幽門保存胃切除後の胃石による小腸閉塞の1例
八田 亮輔石崎 陽一小濱 信太郎吉本 次郎永仮 邦彦大内 昌和
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2023 年 84 巻 2 号 p. 294-298

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抄録

62歳,女性.腹痛,嘔気を主訴に当院内科を受診し,CTでの含気のある低吸収腫瘤による小腸閉塞で,胃石による小腸閉塞と診断した.イレウス管を挿入しコカ・コーラ®による溶解を試みたが改善せず,当科へ紹介となり単孔式腹腔鏡手術を施行した.回盲弁から約30cm口側に約40mmの胃石が嵌頓し閉塞起点となっていた.小腸を体外に挙上し小腸を切開して胃石を摘出し,切開部を縫合閉鎖した.術後に発熱が遷延したが,抗菌薬投与で軽快退院した.摘出標本の分析ではタンニン酸が98%で胃石の診断が確定した.幽門側胃切除後に比べて幽門保存胃切除後では,胃石発生頻度が高く,胃内で確認されれば内視鏡的摘出か,コカ・コーラ®による溶解療法,外科的治療の適応となる.胃石が小腸に落下する頻度は低いが,落下すると腸閉塞をきたすことがある.この場合,溶解療法などの内科的治療は奏効しないことが多く,早期に外科的治療を考慮する必要がある.

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