日本臨床外科学会雑誌
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症例
上腸間膜静脈血栓症を合併した急性壊疽性虫垂炎の1例
日比野 佑弥金岡 祐次前田 敦行高山 祐一高橋 崇真青山 広希
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2023 年 84 巻 2 号 p. 310-315

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抄録

症例は14歳,女性.2日前からの下腹部痛と発熱を主訴に当院を受診した.腹部造影CTで急性虫垂炎と診断し,虫垂切除術を施行した.術後も発熱と炎症の改善がなく,術後4日目に造影CTを施行したところ,手術部位の膿瘍形成と上腸間膜静脈血栓症を認め,ヘパリン1万単位/日を開始した.この際に初診時のCTを見返したところ,既に上腸間膜静脈に血栓を形成していた.術後10日目に造影CTで肝左葉門脈内に血栓の進展を認めたが,肝機能異常は認めなかった.術後13日目にAPTTの十分な延長を得られず,リバーロキサバン(以下,RVX)内服を開始した.造影CTで血栓の変化はないものの,各種症状の新規出現もないためRVX内服を継続し,術後26日目に退院となった.退院後も血栓の消失は認めていない.術後半年でRVXの内服は終了し,経過観察中である.

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