2023 年 84 巻 2 号 p. 305-309
症例は67歳,女性.腹痛を主訴に当院に入院となった.入院時血液検査で炎症反応の高値を認めた.腹部造影CTでは,虫垂は造影される壁肥厚を認め,尖端部には内部造影効果の乏しい4cmの腫瘤と右水腎症を認めた.虫垂腫瘍による尿管狭窄に伴う右水腎症と診断した.大腸内視鏡では虫垂開口部に明らかな腫瘤は認めなかったが,虫垂の悪性腫瘍も否定できず,D3郭清を伴う回盲部切除を施行した.病理検査では,腫瘤部は泡沫状組織球を主体とする炎症細胞浸潤と肉芽組織から成る黄色肉芽腫性の炎症巣を認め,黄色肉芽腫性虫垂炎と最終診断した.黄色肉芽腫性腫瘤は,胆嚢・腎臓に好発すると報告されているが,虫垂原発は稀であり文献的考察を加えて報告する.