2023 年 84 巻 3 号 p. 404-408
症例は63歳,男性.16歳時に胃潰瘍に対して幽門側胃切除術(Billroth II法再建)の既往がある.4時間前から発症した激しい腹痛を主訴に当院救急外来を受診した.腹部所見で上腹部に圧痛と筋性防御を認めた.腹部CTで輸入脚近傍に腸管外の遊離ガス像および高吸収域像を複数認め,また周囲の脂肪織濃度の上昇を伴っていた.腸石または異物による輸入脚穿孔による腹膜炎と診断し,緊急手術を施行した.腹腔内を検索すると,径1-2cm大,4個の結石により輸入脚に存在した5cm大の空腸憩室が穿孔していた.憩室穿孔部の空腸部分切除とドレナージ術を施行した.病理組織検査で憩室は仮性憩室,腸石の結石分析はカルシウム塩を含んでいた.最終的に真性腸石により輸入脚の憩室に穿孔をきたしたと診断した.