2023 年 84 巻 4 号 p. 590-595
症例は79歳,女性.嘔吐,発熱,腹痛を主訴に救急外来を受診した.腹部単純CTで下腹部に腸管との連続が不明瞭で内部にairを含む最大径17.5cm大の構造物とfree airおよび門脈ガス像を認め,穿孔性腹膜炎の診断で緊急手術を施行した.手術所見では回腸末端より100cmの小腸に小児頭大の腫瘍性病変を認め,腫瘍は内部壊死と穿孔を伴っていた.小腸部分切除を施行した.切除標本では腸間膜対側に嚢状に突出する粘膜下腫瘍を認めた.病理組織学的検査と免疫組織学的検査でgastrointestinal stromal tumorと診断された.術後,体質性黄疸と敗血症による遷延性黄疸を伴ったが,概ね経過良好であり術後16日目に退院となった.再発高リスク群であり,術後補助療法としてメシル酸イマチニブ療法を開始し,外来通院中である.