2023 年 84 巻 4 号 p. 647-652
症例1は,67歳の女性.肛門管癌に対し,化学放射線治療後に腹会陰式直腸切断術を施行した.術後6カ月で膣後壁に局所再発を認めたため,局所切除を施行した.症例2は,71歳の女性.直腸癌膣後壁浸潤に対し,膣後壁合併切除を伴う腹会陰式直腸切断術を施行した.それぞれ膣壁欠損に対し,横転皮弁による再建を施行した.
本術式は,通常の腹会陰式直腸切断術と同一体位で施行できるため,体位変換が不要であり,他の再建法と比較し低侵襲かつ簡便であるため,形成外科医が不在の施設においても外科医のみで実施が可能である.また,この再建方法を習熟することにより,膣壁との安易な剥離操作や不十分なマージンによる切除を避けることが可能となる.
本術式は膣後壁合併切除を要する切除術において,有用な再建方法となり得ると考えられた.