2023 年 84 巻 5 号 p. 820-824
症例は71歳,男性.以前より胆石の指摘があり,術前の腹部MRIで胆石症と胆囊腺筋症の術前診断となり,腹腔鏡下胆囊摘出術を施行.切除標本で25mm大の粘膜下腫瘤様の隆起を認め,割面で多房性の囊胞性病変と判明.病理組織学的検査で,胆囊腺筋症と胆囊壁内に限局した粘液性上皮による多房性の囊胞性病変を認めた.囊胞上皮はMUC5ACとMCU6が部分的に陽性で胃型粘液の特徴を示し,一部でlow gradeの異型上皮を認めた.自験例は胆囊壁内に限局した壁内発育型の囊胞性病変であり,形態的にintramural multicystic mucinous neoplasm with low-grade intraepithelial neoplasiaと表現した.まれな病理像であったため報告する.