日本臨床外科学会雑誌
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症例
Nivolumab併用化学療法により膵頭十二指腸切除を回避できた進行胃癌の1例
迫川 賢士澤田 絋幸徳永 真和家護谷 泰秀平田 雄三
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2023 年 84 巻 6 号 p. 884-891

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抄録

症例は75歳,男性.心窩部痛精査の上部消化管内視鏡検査で胃角部小弯に3型胃癌を認め,当科紹介となった.CTで遠隔転移を認めず,cT4aN1M0,cStage IIIの診断で切除を試みたが,腫瘍は膵頭部に直接浸潤しており,膵頭十二指腸切除(以下,PD)以外にR0切除は困難と考え,切除を断念した(cT4b(膵)N1M0,cStage IVA).術前化学療法を行う方針とし,capecitabine+oxaliplatin+nivolumab併用化学療法を開始した.8コース後のCTで原発巣は著明に縮小し,膵頭部との境界が明瞭化したため,定型手術によるR0切除が可能と判断し腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行した.最終病理組織診断は,por2,ypT4a,Ly1a,V1a,pPM0,pDM0,ypN3a,ypStage IIIBで,術前化学療法の組織学的効果判定はGrade1aであった.手術侵襲が大きなPDを胃癌の膵浸潤例に行うか否かはしばしば議論になるが,nivolumabを併用した術前化学療法を行うことでPDを回避し,定型手術によるR0切除を目指せる可能性が示唆された.

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