日本臨床外科学会雑誌
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症例
癌関連網膜症を契機に診断された食道癌術後縦隔リンパ節再発の1例
根本 幸一三浦 昭順植野 広大篠原 元齋藤 賢将鈴木 邦士
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2023 年 84 巻 6 号 p. 877-883

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抄録

78歳,女性.2018年9月につかえ感を自覚.精査の結果,胸部食道癌(Lt,Type-3,T4bN2M0,Stage IVa)の診断となった.2018年12月より術前化学療法を施行し,加療後は胸部食道癌(Lt,Type 5b,cT3N2M0,cStage III)の診断となり,2019年3月に食道癌根治術を施行した.2020年10月に急激な視力低下の出現を認めた.各種眼科検査から癌関連網膜症(CAR)の臨床所見と一致していたため,臨床的にCARと診断した.CARを契機にCTを施行,縦隔リンパ節の106preの増大を認め,生検を施行したところ扁平上皮癌の所見であり,再発転移の診断となった.再発転移に対して化学放射線療法(CRT)を施行した.CRT後の評価目的のCTでは106pre のリンパ節は縮小し,PET 検査でも集積を認めなかった.眼所見も視機能は改善傾向の経過をとり,増悪なく経過している.

食道癌によるCARの報告は極めて稀である.今回われわれは,CARを契機に再発を認めた1例を経験した.原発癌の進退に伴うCARの進退や食道癌とCARの関係について,文献的考察を加えて報告する.

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