日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前検査でカテコラミン過剰分泌を認めなかった褐色細胞腫の1例
柳田 充郎吉田 有策中居 伴充鬼塚 裕美尾身 葉子堀内 喜代美長嶋 洋治岡本 高宏
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2023 年 84 巻 6 号 p. 941-946

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抄録

症例は34歳,男性.多発性内分泌腫瘍症(multiple endocrine neoplasia:MEN)2A型.甲状腺髄様癌再発手術の術前CTで左副腎腫瘤を指摘された.123I-meta-iodobenzylguanidine (MIBG)シンチグラフィーで左副腎腫瘤への集積亢進を認めたが,カテコラミンの過剰分泌は認めず,術前には褐色細胞腫の診断基準は満たさなかった.しかし,MEN2A型患者に発生した副腎腫瘤であり,褐色細胞腫の可能性は十分考えられたため,褐色細胞腫の周術期管理に準じてα遮断薬の投与を行った.手術操作に伴い血圧の上昇を認めたが,α遮断薬による降圧が奏効し,安全に手術を完遂した.褐色細胞腫でも内分泌機能検査でカテコラミン過剰分泌を示さないことがあり,臨床所見を併せ総合的に判断しての周術期管理が安全な治療を遂行するためには重要である.

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