日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
臓側胸膜由来悪性孤立性線維性腫瘍の1例
吉野 流世吉田 奈七安田 俊輔伊藤 茜中坪 正樹林 真奈実谷野 美智枝北田 正博
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 84 巻 7 号 p. 1032-1037

詳細
抄録

症例は57歳,女性.呼吸苦,胸痛を自覚していた.胸部CTで右胸腔内に18×13cm大の胸壁腫瘍を認め,CTガイド下経皮針生検を施行した結果,孤立性線維性腫瘍(SFT)の診断となった.CT,MRI,FDG-PET所見からは良悪性の診断が困難であった.2020年12月,胸腔鏡補助下で腫瘍摘出術が施行された.術後の病理組織学的検査の結果,紡錘形細胞がpatternlessに増殖する所見を認めた.核分裂像は16個/10HPFであり,免疫染色はCD34陽性,STAT6陽性であった.以上より,高リスク悪性SFTの診断となった,切除断端は陰性であり,外科的完全切除を施行できた.術後補助療法は施行せず,無治療経過観察中である.悪性SFTは非常に稀な疾患であり,診断基準が明確でないが,再発リスクについては様々な文献で報告されている.今回,悪性SFTと診断し,外科的切除術を施行した1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

著者関連情報
© 2023 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top