日本臨床外科学会雑誌
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症例
肺癌手術中に発症した対側気胸の2例
西平 守道井上 裕道有本 斉仁苅部 陽子小林 哲松村 輔二
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2023 年 84 巻 7 号 p. 1026-1031

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抄録

肺切除術時の片肺換気中に対側気胸を発症した2例を経験した.症例1は左上葉切除術中,シーリングテストを契機に低酸素血症を発症した.気管支鏡で挿管チューブの位置確認や吸痰を行うも改善を認めなかった.対側気胸発症を疑い,迅速に創閉鎖してポータブル胸部X線撮影を行った.右緊張性気胸を確認し,胸腔ドレナージを施行した.症例2は左下葉切除中に低酸素血症が持続したが術中原因が同定できず,術後ポータブル胸部X線で右気胸が明らかとなった.胸腔ドレナージを施行して低酸素血症は回復した.ダブルルーメンチューブ下の手術では低酸素血症に遭遇することがしばしばある.多くの場合は,痰による閉塞やチューブ位置のずれが原因である.術中対側気胸の発生は稀であるが,診断の遅れは致命的となる可能性がある.通常の対応手段で改善のない術中低酸素血症を認めた場合,対側気胸をまず疑い迅速に対応することが重要である.

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