2023 年 84 巻 8 号 p. 1272-1276
症例は71歳,男性.発熱と右下腹部痛を主訴に受診した.CTで虫垂腫大,回結腸動脈周囲のリンパ節に腫大を認めた.急性虫垂炎・虫垂腫瘍疑いとして,同日腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.虫垂根部に腫大があり,盲腸壁を一部含めて虫垂を切除した.摘出標本では虫垂開口部から3cm末端側に13mm大の腫瘤を認めた.病理組織検査では紡錘形細胞の増殖を認め,免疫染色にてKIT(+),CD34(+),desmin(-)であった.以上より,虫垂GISTと診断した.術後7日後に合併症なく退院した.虫垂GISTは非常に稀な疾患であり,これまでの報告も限られている.虫垂炎様症状を呈した虫垂GISTの症例を経験したため,文献的考察を加え報告する.