日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡手術を行った漏出性胆汁性腹膜炎を合併した急性胆嚢炎の1例
伊藤 将一朗末永 雅也梅村 卓磨木部 栞奈田嶋 久子片岡 政人
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2024 年 85 巻 1 号 p. 93-99

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抄録

症例は72歳,男性.前立腺癌術後の第1病日に出現した右上腹部痛に対して精査を施行した.腹部造影CTで胆嚢壁の著明な浮腫を伴う壁肥厚と周囲の腹水を認めたが,胆嚢内腔は虚脱し胆嚢壁の血流障害は認めなかった.中等症の急性無石胆嚢炎と診断し抗菌薬による治療を開始したが,翌日に重症へと移行したために緊急手術を施行した.術中所見では漿膜下層の胆汁貯留によって胆嚢は腫大し,胆汁の漏出による胆汁性腹膜炎を呈していた.胆嚢の剥離は容易で腹腔鏡下に胆嚢を摘出し,洗浄とドレーンを留置して手術を終了した.摘出胆嚢に穿孔の所見は認めず,漿膜下層に胆汁の貯留を認めたことから,漏出性胆汁性腹膜炎を合併した急性無石胆嚢炎と診断した.漏出性胆汁性腹膜炎は稀な疾患であるが,病態についての知識があれば特徴的な画像所見から診断は可能である.漿膜下層の浮腫が特徴のため,早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術は技術的に容易で良い適応となる可能性がある.

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