2024 年 85 巻 12 号 p. 1685-1689
症例は22歳の女性で,右下腹部痛を主訴に当院を受診した.発熱は認めず,右下腹部に軽度圧痛を認めるも筋性防御は認めなかった.血液検査にて軽度の炎症反応上昇を認めた.腹部CTで虫垂腫大と周囲脂肪織濃度上昇を認め,急性虫垂炎の疑いで保存的治療の方針としたが,後日腹部症状の増悪を認めたため,手術の方針とした.腹腔鏡下で虫垂の腫大を認め,虫垂切除を施行したが,回盲部から約50cmの回腸の間膜を鈍的に剥離すると,排膿が見られた.小開腹にて同部位を検索すると重複腸管を認め,小腸部分切除術も施行した.病理学的検査にて急性虫垂炎および回腸重複腸管穿通の診断に至った.異所性成分は認めず,腫瘍は認めなかった.術後経過は良好で,術後7日目に退院となった.今回の病態は先に虫垂炎を発症し,重複腸管の内圧が上昇して穿通に至ったと考えられる.今回われわれは,稀な疾患である急性虫垂炎を併発した腸管重複症を経験したので報告する.