日本臨床外科学会雑誌
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症例
術中内視鏡が有用であった上腸間膜動脈閉塞症後の蛋白漏出性胃腸症の1例
岩田 尚樹大島 由記子野本 昂奨大島 健司中尾 昭公
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2024 年 85 巻 4 号 p. 517-522

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抄録

蛋白漏出性胃腸症は様々な原因で起こりうる疾患であるが,上腸間膜動脈閉塞症治療後に発症する例はまれである.今回,上腸間膜動脈閉塞症の保存的治療後に蛋白漏出性胃腸症を発症し,腸管切除により改善した症例を経験した.

73歳,男性.心窩部痛の精査で上腸間膜動脈閉塞症と診断され,保存的治療を受けた.血栓消失後食事を開始したが腹痛と下痢が持続し,低アルブミン血症と全身浮腫が進行した.便中α1アンチトリプシン値が高値で,蛋白漏出性胃腸症と診断し栄養療法を行ったが改善せず,蛋白漏出シンチグラフィーで集積した上部空腸の切除を行った.術中内視鏡を行い,上部空腸粘膜面の潰瘍形成を確認し,潰瘍が存在した部位を全て切除した.術後は腹部症状なく,低アルブミン血症も改善した.上腸間膜動脈閉塞症の保存治療後の蛋白漏出性胃腸症は手術により改善するが,その切除範囲の決定には術中内視鏡が有用である.

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