2024 年 85 巻 4 号 p. 523-527
症例は22歳,女性.他院で虫垂炎と診断され,抗菌薬内服にて経過を見ていたが,症状の増悪が見られ精査を行ったところ回盲部重積と診断され,当院に紹介となった.当院で行った検査の結果,虫垂重積と診断し,内視鏡的な整復を試みたが,整復できず,腹腔鏡下虫垂切除術を行った.病理組織学検査の結果,虫垂神経節細胞腫の診断に至った.消化管に発生する神経節細胞腫は神経線維腫症1型(neurofibromatosis-1)または多発内分泌腫瘍(multiple endocrine neoplasia)に合併することがほとんどであるが,本症例はそれら疾患を合併しないものであり,それが虫垂に発生することは非常に稀である.また,虫垂重積で発見されたものに関しては,検索し得る限りでは今までに報告がないため,文献的考察を加えて報告する.