2024 年 85 巻 4 号 p. 534-538
21歳,女性.入院2日前から腹部全体の痛みと嘔気が出現した.対症療法で経過を見たが,腹痛と水様下痢が悪化し再度受診し,腹部CTで腸重積を認め緊急入院となった.大腸内視鏡検査を施行すると,横行結腸に赤黒い腫瘤を認めた.腫瘤は内視鏡で容易に口側へ押し戻すことができ,腸重積は整復できた.亜有茎性の赤黒い腫瘤は盲腸に存在し,その周囲の粘膜には発赤や糜爛を認めた.翌日撮影した造影CTでは悪性の腫瘍を疑うような所見は認めなかった.腹痛が持続することと内視鏡にて赤黒い腫瘤を認めたことから,腹腔鏡補助下回盲部切除術を行った.病理所見では腫瘤状の部分は虚血による粘膜の変化と粘膜下層の高度肥厚であった.成人の特発性腸重積について,過去の症例を含めて検討した.