2024 年 85 巻 4 号 p. 565-568
症例は45歳,男性.肝機能障害に対する精査を目的に施行された腹部CTにて,膵体部背側に内部が不均一に造影される最大径28mmの腫瘤が認められた.腫瘍が膵原発であるか後腹膜原発であるかの判断が困難であったが,超音波内視鏡下穿刺吸引法による組織診を施行したところ,グロムス腫瘍の疑いとなった.診断的治療を目的として腫瘍摘出術を施行した結果,後腹膜原発のグロムス腫瘍との病理組織診断に至った.グロムス腫瘍はグロムス細胞由来の腫瘍であり,爪甲下に好発することが知られている.腹部に発生するグロムス腫瘍として,胃や小腸などの消化管に発生した症例の報告は散見されるものの,後腹膜に発生したグロムス腫瘍は検索しえた限り過去に2例の報告を認めるのみであり,原発部位として極めて稀であると考えられた.