日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下横隔膜縫合術を行った外傷性横隔膜損傷の1例
畑佐 実咲中島 悠平松 和洋深谷 昌秀青葉 太郎有元 淳記
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2024 年 85 巻 6 号 p. 726-730

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抄録

症例は67歳,女性.軽自動車対普通自動車の交通事故で胸腹部を強打し,当院へ救急搬送された.受診時のCTで胃の胸腔内への脱出を認め,外傷性左横隔膜損傷に伴う左横隔膜ヘルニアと診断した.全身状態は安定しており他臓器の損傷を認めず,胃の通過障害も生じなかったため,待機的に腹腔鏡下の根治手術を予定した.手術所見では,左横隔膜が直径約10cmに損傷して欠損しており,大網が胸腔内に脱出していた.腹腔鏡下に大網を腹腔内に還納し,欠損孔を非吸収糸による単結節縫合で閉鎖した.経過は良好で,術後3日目で退院した.

外傷性横隔膜損傷は胸腹部の外傷の1%程度と比較的稀な損傷である.今回われわれは交通事故による左横隔膜損傷に対し腹腔鏡下手術を施行し,経過良好で早期退院した1例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.

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