2024 年 85 巻 8 号 p. 1046-1053
症例は78歳,女性.2018年12月,胃体上部大弯後壁に粘膜下腫瘍を認め,諸検査で胃脂肪腫と診断し経過観察中であった.2022年7月に動悸・ふらつきを主訴に近医を受診,Hb 4.1g/dlと貧血を認め,当院へ紹介となった.緊急上部消化管内視鏡検査では頂部粘膜が欠損し脂肪腫が露出した粘膜下腫瘍を認め,胃内には血液残渣を認めた.自然止血されていたが径65mmと増大傾向であり,再出血のリスクがあることから,腹腔鏡内視鏡合同胃局所切除術(classical LECS)を施行した.病理組織学的検査では胃脂肪腫の診断であった.胃脂肪腫は経過観察となることが多いが,出血や閉塞などの有症状時や悪性所見が疑われれば切除を要し,腫瘍径や占居部位を考慮し切除方法を検討する必要がある.今回,出血性胃脂肪腫に対し腹腔鏡内視鏡合同胃局所切除術を施行した1例を経験したため報告する.