2024 年 85 巻 8 号 p. 1110-1115
症例は76歳,男性.下部直腸癌(cT3N3M0 cStage IIIc)と診断され,術前放射線療法(25Gy/5fr)を施行後に腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術,D3郭清,右側方リンパ節郭清を行った(ypT3N1bM0 ypStage IIIb).術後化学療法としてCAPOXを4コース行った.術後1年8カ月の造影CTで肝S7領域に10mm大の転移を認め,他院にて腹腔鏡下肝後区域切除術を行った.術後補助化学療法としてcapecitabineを7コース行った.直腸切除術後3年7カ月の造影CTにて陰茎左側に細長い不整な造影効果を示す腫瘤性病変を認めた.病理検査や免疫組織学的検査の結果より,直腸癌の陰茎転移と診断された.治療法として再度化学療法を選択し,FOLFOX+PANIを6コース行った後のフォローアップCTでは,腫瘍の縮小(67×20mm→61×10mm)が認められた.直腸癌の陰茎転移に対して化学療法で奏効を得た1例を経験したため報告する.