日本臨床外科学会雑誌
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症例
Total neoadjuvant therapy後にWatch and Waitを行っている肛門管腺癌の1例
桐山 茂久福田 直城小林 良平山本 基岩橋 誠
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2024 年 85 巻 8 号 p. 1123-1128

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抄録

症例は32歳,男性.排便時痛を主訴に当科に紹介となり,精査の結果,直腸型肛門管腺癌,cT2N0cM0,cStage Iと診断された.腫瘍マーカーはCEA 9.7ng/ml,CA19-9 90IU/mlとCEA・CA19-9ともに上昇していた.手術加療を勧めたが人工肛門造設に同意が得られなかったため,total neoadjuvant therapy(TNT)としてCAPOX+BEVを3コース行い,化学放射線療法(capecitabine併用.骨盤に36Gy(1.8Gy×33fr),原発巣にboost照射23.4Gy(1.8Gy×13fr),総線量59.4Gy)を施行,その後capecitabine単独療法を2クール行った.治療後の内視鏡で腫瘍部位の平坦化が認められ,生検でもGroup1の結果であり,cCRと判断した.この時点で本人・家族に再度手術加療を勧めたがWatch and Waitを強く希望した.現在治療は行わず定期的に内視鏡検査・CT・MRIを行いながら経過観察中であるが,TNT後1年3カ月経過した現在も再発は認めていない.

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