日本臨床外科学会雑誌
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症例
遠位胆管癌切除後に発生した異時性肝門部領域胆管癌の1例
浦野 貴至浦上 淳髙岡 宗徳松原 正樹山辻 知樹藤原 英世
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2024 年 85 巻 8 号 p. 1129-1134

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抄録

症例は72歳,女性で,遠位胆管癌(pT2N0M0,Stage IIA)に対して膵頭十二指腸切除術を施行し,2年6カ月後の腹部CTで,右肝内胆管の拡張と右肝管の壁肥厚を認めた.内視鏡的逆行性胆管造影で右肝管の狭窄を認め,生検で腺癌と診断された.右肝管から発生した肝門部領域胆管癌と診断し,肝右葉切除,尾状葉切除,左肝管再建術を施行した.病理診断では高分化型腺癌,pT2bN0M0,pStage IIと診断された.肝切除術から11カ月後に傍大動脈周囲リンパ節に転移再発をきたし,全身化学療法および腹部大動脈周囲への放射線照射を行った.初回手術からは5年8カ月後,肝切除から2年11カ月後に現病死した.腫瘍は初回手術の病変部から解剖学的,病理学的に離れており,初回手術から2年以上経過していたことから,本症例は断端再発ではなく異時性胆管癌と診断した.

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