2024 年 85 巻 9 号 p. 1248-1253
症例は63歳,女性.13日前より右下腹部痛・発熱が持続し,黄疸が出現したため,当院消化器内科外来を受診した.血液検査で炎症反応の上昇,肝胆道系酵素の上昇を認めた.腹部単純CTにて胆囊壁の肥厚を認め,急性胆囊炎を疑い,第一病日に経皮経肝胆囊ドレナージを施行した.第二病日,炎症反応の改善が乏しいため腹部造影CTを施行した結果,虫垂腫大・門脈に造影不良域を認めた.急性虫垂炎・門脈血栓症と診断し,炎症の主座である虫垂炎の治療を先行し,同日緊急腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.手術翌日から抗凝固療法としてヘパリン投与を開始し,術後6日目よりヘパリンをリバーロキサバン内服に変更した.術後10日目の腹部造影CTにて門脈血栓の縮小を認めた.炎症反応が正常化した後,術後22日目に退院となった.今回,われわれは門脈血栓症を合併した急性虫垂炎の1例を経験したため報告する.