日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
二次治療のnal-IRI+5FU+LVが奏効し切除した切除可能境界膵癌の1例
新垣 滉大宮竹 英志萱島 理安田 大成大谷 和広
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 85 巻 9 号 p. 1296-1304

詳細
抄録

症例は78歳,女性.体重減少を主訴に近医を受診し,CTで膵頭部腫瘤を認め,当科に紹介となった.切除可能境界膵癌の診断で化学療法先行の方針とした.Gemcitabine+nab-paclitaxel療法(GnP療法)を計16回投与を行い再評価したが,腹腔動脈から脾動脈にかけての腫瘍浸潤および膵尾部に新規病変の出現を認め,切除不能と判断した.二次治療でnanoliposomal irinotecan+fluorouracil+folinate(nal-IRI+5FU+LV)を導入した.13回目投与後の画像評価で脈管系への浸潤および膵尾部病変が消失し,その他切除不能因子も認めなかった.亜全胃温存膵頭十二指腸切除術・門脈合併切除術を施行し,術後病理診断はypT3N0M0,ypStage IIA,R0切除であった.術後補助としてS-1を服用し,約9カ月間無再発で経過中である.今回われわれは二次治療でのnal-IRI+5FU+LVによりconversion surgeryを施行した1例を経験したため,若干の文献的考察を加えて報告する.

著者関連情報
© 2024 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top