日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
腹腔鏡下骨盤内臓全摘術後に発症したwell leg compartment syndromeの1例
坂本 祥大今井 稔中川 朋外山 和隆戸口 景介山口 拓也
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 86 巻 1 号 p. 115-121

詳細
抄録

65歳,男性.cT2N3M0の進行直腸癌に対して腹腔鏡下骨盤内臓全摘術を行った.術後の血液検査で著明なCPK値上昇と両下腿痛を認め,診察では両下腿に発赤,腫脹,熱感,緊満感および著明な圧痛を認めた.両下腿筋膜内圧を測定したところ,右下腿38mmHg,左下腿26mmHgと高値であったため,手術体位による両側下腿コンパートメント症候群と診断した.術後14時間半に両下腿内側に対して減張切開術を施行したところ,疼痛は軽減しCPK値も低下した.術後14日目に減張切開創を閉鎖し,リハビリテーションを施行した結果,術後3カ月でほぼ後遺症なく自宅退院となった.手術体位や長時間手術により健常下肢に発症する下腿コンパートメント症候群は,治療介入が遅れると致命的となる疾患である.頭低位手術や長時間手術後に下肢痛やCPK値上昇を認めた場合,下腿コンパートメント症候群を想起し早期に治療介入を行う必要がある.

著者関連情報
© 2025 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top