2025 年 86 巻 1 号 p. 9-14
COVID-19が癌拠点病院かつ感染者受入れ協力病院である当院の経営,外科実臨床に及ぼした影響と病院の対応をパンデミック下の2020年から3年にわたり調べ,問題点を提示した.DPCとNCDデータを用い流行前(2018-2019年)と流行時(2020-2022年)の各項目を比較検討した.国の補助金により病院全体の収益は黒字になったが,外科の収益や入院,手術数,外来化学療法数は最大60-70%台まで漸減した.唐津市の感染者増大に伴い県のフェーズおよび病院の対応は厳しくなり,外科実臨床はさらに縮小した.感染患者受け入れと外科の診療,経営を両立維持することは困難だった.補助金中止後の病院全体の収益回復も容易ではない.次のパンデミックに備え,各地のCOVID-19感染者受入れ協力病院の実情や問題点を集積し地域病院の役割分担やフェーズ設定の見直し,さらに国による感染症の法的位置づけや補助金の投与法の再検討が必要と思われる.