2025 年 86 巻 12 号 p. 1616-1622
症例は初診時43歳,女性.排便時の左下腹部痛の精査にて,S状結腸進行癌,同時性肝S6および肝門部リンパ節転移が診断された.まず,腹腔鏡下S状結腸切除を施行した.術後CapeOX+ベバシズマブを4コース施行したところ,肝S6転移,肝門部リンパ節転移は著明に縮小した.その後,肝S6部分切除,肝十二指腸間膜リンパ節郭清を施行した.病理検査にて肝転移,肝門部リンパ節転移ともに治癒切除であった.両者とも線維化組織の中に散在性に異型腺管が認められ,治療効果はgrade 2であった.術後CapeOX+ベバシズマブを4コース施行した.肝転移切除から7年の時点で,画像検査で無再発であることを確認しフォロー終了となった.予後不良とされてきた肝門部リンパ節転移を伴う大腸癌肝転移の切除例の報告は散見されるが,長期無再発の報告は稀である.薬物治療と外科的切除のコンビネーションで治癒する症例が存在することが示された.