日本臨床外科学会雑誌
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症例
ダメージコントロール手術により救命できた胸骨圧迫による肝損傷の1例
寺本 賢一山下 裕玄服部 桜子岩田 亮平萩原 謙岡村 行泰
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キーワード: 胸骨圧迫, 肝損傷, 肺塞栓症
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2025 年 86 巻 12 号 p. 1623-1632

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抄録

55歳,男性.外出中に卒倒し,心停止の判断でbystanderにより心肺蘇生法(以下CPR)が施行された.当院に救急搬送され機械的胸骨圧迫装置(LUCAS®)を装着.気管内挿管し,経皮的心肺補助装置(以下PCPS)を挿入・稼働した.造影CTで肺動脈本幹から左右肺動脈に塞栓を認め,肝表面には血性腹水と左葉に造影剤の血管外漏出を認め肝損傷と診断した.まずは経カテーテル的動脈塞栓術(以下TAE)を施行し,A2にコイル塞栓術を施行した.しかしその後,血圧低下と腹部膨満著明から腹腔内出血の顕在化と考え,緊急開腹手術を施行した.肝外側区の被膜下出血で,被膜の一部が裂け腹腔内に大量の出血を認めた.タオルパッキングによるダメージコントロール手術を施行.以後,血行動態は安定し,3日後に再手術でタオルパッキングを除去.直接作用型経口抗凝固薬(以下DOAC)内服により,肺血栓の縮小が得られた.第25病日に独歩退院となった.凝固系破綻下でのダメージコントロール手術は有用である.

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