日本臨床外科学会雑誌
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症例
準広汎子宮全摘術後に生じた外腸骨静脈血栓症を伴う絞扼性腸閉塞の1例
本間 崇志原 義明網木 学成田 和広日月 裕司
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2025 年 86 巻 2 号 p. 271-275

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抄録

症例は56歳,女性.1年前に子宮体癌に対して準広汎子宮全摘術が施行されていた.今回,腹痛・嘔吐・右大腿部痛を主訴に当院に救急搬送された.腹部造影CTを施行し,右外腸骨動静脈背側に小腸が嵌頓し生じた静脈内血栓を伴う絞扼性腸閉塞と診断し,緊急手術を施行した.術中所見では,終末回腸が嵌頓/壊死をきたしており,右外腸骨静脈は圧排され狭窄していた.絞扼を解除し,壊死した空腸から終末回腸の約80cmを含む回盲部切除術を施行した.術中エコーで右外腸骨静脈内に血栓を認めたため,切開し血栓を摘出した.術後10病日目には右外腸骨静脈内に再び血栓を認めたが,ヘパリン・エドキサバンの投与により症状は軽快し,術後25日目に退院した.骨盤内リンパ節郭清を伴う手術既往のある腸閉塞では,外腸骨動静脈が原因の絞扼性腸閉塞も念頭に置く必要があり,血栓症を伴う可能性があることにも注意が必要である.

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