日本臨床外科学会雑誌
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症例
小腸軸捻を合併した小腸リンパ管奇形の1例
稲葉 由樹渡辺 俊之岡田 真誠森園 剛樹日吉 雅也飯原 久仁子坂本 穆彦橋口 陽二郎
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2025 年 86 巻 2 号 p. 264-270

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抄録

症例は37歳,男性.腹痛・腹部膨満・嘔吐を主訴に近医を受診し,腸閉塞の疑いで紹介受診となった.腹部CTで広範な小腸の拡張と骨盤腔正中にwhirl signを認め,骨盤底には腹水との鑑別が困難なwater densityを呈する囊胞性腫瘤の存在が疑われた.小腸軸捻による絞扼性腸閉塞と診断し,緊急手術を施行した.開腹時所見では,回腸末端より90cm口側の回腸に壁外性に隆起した12cm大の黄色囊胞性腫瘤を認め,近接する腸間膜にも5cm大の同様の腫瘤を認めた.この部位を中心として小腸は反時計方向に540°捻転していた.腸管の虚血性変化はなく,捻転を解除して腫瘤を含めた小腸部分切除術を施行した.病理組織学的検査では,小腸および小腸腸間膜のリンパ管奇形と診断された.リンパ管奇形に伴う小腸軸捻は,本邦では自験例を含めて23例の報告があるが,主病変が腸間膜ではなく腸管壁の囊胞性腫瘤であった症例は自験例のみであった.

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