日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下に整復した腸管囊胞性気腫症を先進部とした腸重積の1例
鈴木 大翔石川 健馬場 卓也友田 佳介吉本 信保高山 悟
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2025 年 86 巻 2 号 p. 282-288

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抄録

症例は53歳,男性.下腹部痛と血便を主訴に受診した.CTでS状結腸の直腸への重積と,腸管壁に多発する囊状気腫を認めた.下部内視鏡で同部位に,多発する隆起性病変を先進部とする重積像を認めた.隆起性病変はCT・内視鏡所見から,腸管囊胞性気腫症(pneumatosis cystoides intestinal:以下,PCI)が疑われた.重積箇所の腸管壁がうっ血しており,穿孔のリスクを懸念し腹腔鏡手術での整復を試みた.術中下部内視鏡を併用し,腹腔鏡下での腸管牽引に加え,内視鏡での送気と圧迫で腸管内からも整復を試みた.整復は成功し,虚血や穿孔を認めなかったため,腸管切除せず終了した.本症例は糖尿病治療薬であるα-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)を内服しており,薬剤性PCIを疑った.術後よりα-GIを休薬し,1カ月後に下部内視鏡検査を施行したところ,PCIは消失していた.PCIによる腸重積は稀な疾患である.治療は,腸管切除を選択されることが多いが,腹腔鏡,術中下部内視鏡の併用で腸管切除を回避した症例のため,報告する.

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