日本臨床外科学会雑誌
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症例
4日間のレンバチニブ投与により広範な腫瘍壊死をきたした肝細胞癌の1例
木須 絵理田中 智和伊藤 孝太朗井手 貴雄能城 浩和
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2025 年 86 巻 2 号 p. 296-302

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抄録

76歳,男性.2型糖尿病で近医通院中に軽度の肝機能異常と腹部超音波検査で肝腫瘍を指摘され,当院に紹介となった.CTで肝S8に9.6×8.2cm,S1に2.5×2.2cmの腫瘤性病変を認め,EOB-MRIでは肝細胞相でEOBの取り込みを認めたことから,β-catenin変異型肝細胞癌が疑われた.手術を検討,提案したが,承諾が得られずレンバチニブ(LEN)(12mg/日)を導入した.内服開始わずか4日で嘔吐,全身倦怠感によるふらつき等の副作用のため緊急入院となったが,CTでS8腫瘤は明らかに早期濃染範囲が縮小,S1腫瘤は早期濃染領域が消失しており,劇的な治療効果を認めた.この時点で根治的手術を施行,R0切除となった.術後10カ月で肝内再発を認めたが,LENを8mg/日に減量してLEN-TACE sequential治療を実施,その後はLEN内服を継続し無増悪生存中である.極めて短期間にLENによる劇的な治療効果を認めた肝細胞癌の症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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