日本臨床外科学会雑誌
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症例
GCD療法によりconversion手術が可能となった切除不能肝内胆管癌の1例
飯島 賢清水 潤三松下 克則池永 雅一今村 博司
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2025 年 86 巻 2 号 p. 303-309

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抄録

症例は80歳,女性.血液検査で肝機能障害を認め,画像精査で肝左葉に腫瘤を認めた.同部で胆管途絶および拡張を認め,右肝動脈への浸潤が疑われたことから,切除不能な進行肝内胆管癌(cT3N0M0 cStage III)と診断した.全身化学療法としてgemcitabine and cisplatin+durvalumab併用療法(GCD療法)を施行し,効果判定はPR(ycT2N0M0 ycStage II)であった.CTで腫瘍の縮小を認め,右肝動脈の温存可能と考え,conversion手術の方針とした.肝左葉尾状葉切除術,肝外胆管切除術,胆管空腸吻合術を施行した.病理組織学検査では左肝管に腫瘍組織が僅かに残存しているのみであり(CT-Grade3),最終診断は肝内胆管癌ypT2a(SS),ypN0,ypM0 ypStage IIAであった.術後経過は良好で,術後23日目に合併症なく退院となった.近年,切除不能な胆道癌に対してconversion手術が可能となる症例が見受けられるが,本邦においてGCD療法後のconversion手術における報告はない.今回われわれは切除不能な進行肝内胆管癌に対して,GCD療法を施行し根治切除を施行しえた1例を経験したので報告する.

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