日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳癌術後乳房内再発との鑑別が困難だった未分化肉腫の1例
寺島 千晴阿部 瑞穂藤田 倫子野村 孝芝 英一
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2025 年 86 巻 6 号 p. 748-752

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抄録

乳房部分切除後約14年で生じた未分化肉腫の1例を経験したため報告する.症例は40歳,女性.左乳癌cT2N0M0 stage IIAに対し左乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検を施行した.病理結果は乳頭腺管癌,ly0,v0,n(0/4),t=1.8×3.0cm,ER(+),PgR(+),HER2(1+),nuclear grade:1,Ki-67 index:3.2%,surgical margin(-)であった.術後補助療法として残存乳房への放射線照射と内分泌療法を施行し,再発なく経過していた.術後約14年後に左乳房に腫瘤を自覚し,乳房内再発と診断された.再度乳房部分切除術が施行された結果,未分化肉腫の診断となった.早期での発見であったため手術によって腫瘍を完全切除でき,現在再発無く経過している.放射線誘発肉腫は非常に稀な疾患であるが,予後が悪く,術後治療や進行した場合の治療法も確立されていない.乳癌術後に対するフォローアップの際には本疾患を念頭に置いて早期発見に努めることが大切である.

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