日本臨床外科学会雑誌
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症例
子宮内容除去術により小腸穿孔をきたした類古典型Ehlers-Danlos症候群の1例
西津 錬京極 典憲丹羽 こころ伊野 永隼楢﨑 肇新関 浩人
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2025 年 86 巻 6 号 p. 753-757

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抄録

Ehlers-Danlos症候群(Ehlers-Danlos syndrome:EDS)は皮膚の過伸展,関節の過剰可動域,組織の脆弱性などを示す先天性結合組織疾患であり,中でも類古典型EDSは希少病型とされている.今回,われわれは産婦人科での手動真空吸引法による子宮内容除去術により消化管穿孔をきたした類古典型EDSの症例を経験した.症例は34歳,女性.繰り返す関節脱臼を契機に類古典型EDSと診断されていた.妊娠10週5日に稽留流産と診断され,手動真空吸引法による子宮内容除去術が行われた.術後より発熱,下腹部痛,炎症反応の上昇を認め,造影CTで小腸穿孔・子宮穿孔を疑い緊急手術を施行した.子宮頸部前壁の穿孔および空腸に2箇所の穿孔を認め,小腸切除,子宮穿孔部の修復を施行した.先端にプラスチックカニューレを用いた手動真空吸引法で容易に子宮穿孔・小腸穿孔をきたし,術中操作においても腸管・腸間膜は牽引で容易に挫滅されるほど非常に脆弱であった.類古典型EDSにおいても消化管の組織脆弱性が指摘されており,侵襲的処置の際には細心の注意が必要である.

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