日本臨床外科学会雑誌
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症例
炎症反応高値を契機に診断されたG-CSF産生胆囊癌の1例
小池 周一田中 顕一郎櫛田 知志伊藤 智彰
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キーワード: 胆囊癌, G-CSF
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2025 年 86 巻 6 号 p. 799-804

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抄録

症例は67歳,女性.心窩部痛を主訴に受診し,採血で白血球とC反応性蛋白が高値であった.精査の結果,胆囊癌の疑いで全層での胆囊摘出術と肝門部リンパ節12cのサンプリングをした.術後8日目の白血球とC反応性蛋白ともに著明に改善を認めた.また,術前G-CSF活性は異常高値であったが,術後は正常化した.病理結果は未分化癌様の腺癌で,免疫染色でG-CSF陽性となり,G-CSF産生胆囊癌の診断となった.術後5年経過し,再発は認めていない.G-CSF産生胆囊癌は非常に稀で,予後不良な疾患とされている.その診断には,著明な白血球増加,G-CSF活性の上昇,治療による白血球数とG-CSF活性の減少,腫瘍細胞におけるG-CSF産生の証明の4項目であるが,自験例では4項目全てを満たしていた.今回われわれは,G-CSF産生胆囊癌と診断された腫瘍を切除し,5年生存を得られた症例を経験したため報告した.

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