2025 年 86 巻 7 号 p. 879-883
緒言:近年,本邦においては移植適応が境界領域であるマージナルドナーによる生体腎移植が増加している.方法:2015年から2022年に当センターで腹腔鏡下移植用腎採取術を受けた生体ドナーを対象とした.スタンダードドナー群(SD群)とマージナルドナー群(MD群)に分類し,ドナーの腎予後と手術成績,腎予後のリスク因子を検討した.結果:201人の生体ドナーのうち131人がSD群,70人がMD群であった.退院時から術後3年までのeGFRはMD群で低値であった.手術成績は同等であった.術前の低腎機能と高齢がリスク因子となり,複数のマージナルファクターを有する場合には腎予後が悪い傾向であった.結論:MD群はSD群と比較して腎予後が不良であった.低腎機能あるいは高齢のリスク因子を有するドナーと,複数のマージナルファクターを有するドナーでは特に腎予後に注意が必要である.